おはようございます。
僕は今介護施設でアルバイトをしています。
デイサービスと呼ばれる営業形態で、朝にお迎えに行って、夕方までお年寄りを預かってお風呂に入れたり、運動させたりする仕事です。
保育園のお年寄り版といえばわかりやすいかもしれません。
しかし、僕は元々介護施設で働きたいと思っていたわけではありません。
元々は、柔道整復師という資格をとって整骨院や整形外科で働いていました。
医療機関での労働環境やストレスに耐えきれず辞めた後に、介護施設に流れ着いたというのが本当のところです。
介護施設では、リハビリ要員として理学療法士や柔道整復士、鍼灸士、マッサージ師士などの有資格者を専門職として雇っています。
主な仕事は機能訓練と呼ばれるものです。
お年寄りの運動能力を低下させないために、一緒に歩いたり筋トレしたりする仕事です。
この仕事を楽しいと思ったことはありませんが、医療機関に比べて拘束時間が短くプレッシャーも少ないため生活のためにやっています。
要するに妥協して選んだ仕事ということです。
どうしてもこの仕事がしたいわけじゃなく、生活のために仕方なくやっているということです。
万年人手不足の業界で職を得るのが簡単なので、介護職を選んだわけです。
最近ではベトナム人や、インドネシア人などの外国人労働者も多く人材が枯渇している状況が伺えます。
お年寄りの世話をするというのは綺麗事ではありません。
失禁は日常茶飯事ですし、車の中でうんこを漏らすなんてことも普通に起こります。
他人のうんこを素手で触ったことがありますか?
まともに歩けない人がほとんどで、どこに行くにも見守りが必要です。
認知症の人は脱走してしまうので、出入り口の扉には大きな鈴がついています。
おじいちゃんの女性スタッフに対するセクハラ行為も後を断ちません。
それでも怪我をさせてはいけないので、転ばないように移動させるだけでかなりの集中力を使います。
50人のお年寄りを4〜5人のスタッフで監視しなければなりません。
とにかく気が抜けない仕事で、惰性でやるにはハードな作業です。
それでも、お年寄りを預けている家族は丁寧な接遇や優しい対応を求めてきます。
自分の親を預けているのですから当然の気持ちですが、こちらとしては50人中の1人であって全員に対して自分の家族のように丁寧に接している余裕はありません。
家族の求めるサービスと現場の状況にかなりのギャップがあります。
もちろんモンスターペアレンツ的な家族も存在します。
送迎時など、スタッフの一挙手一投足を試験官のような鋭い視線で見つめてきます。
少し雑な扱いをするとクレームを入れてきます。
困ったものです…
そんなに大事な人なら、ずっと自宅で面倒見てあげればいいんです。
その方がお年寄りも幸せだし、家族も心配しなくて済みます。
それが出来ないから、介護施設に預けているのです。
「自分にできないから施設に預けて代わりにやってもらっている」ということです。
もう少し謙虚な気持ちを持つべきです。
家族も本当は自分で世話してあげたいけど、出来ないから仕方なく施設預けているわけです。
働いているスタッフのほうも、生活のために仕方なくお世話をしているのです。
介護業とは妥協と惰性の上に成り立っているビジネスです。
世話をされるお年寄りの方も辛いはずです。
この点を忘れてはいけません。
これは、人間の寿命が伸びたことによる弊害です。
どうしようもないことです。
お年寄りの健康寿命を伸ばそうという試みが色々なところで行われています。
一方、不健康寿命も確実に伸びています。
体や思考の自由が効かなくなた状態で5年、10年と生きる人もどんどん増えています。
家族や介護施設の負担は計り知れません。
ただ、なす術もなく死を待つ人の世話をするのは憂鬱です。
それを、なす術もなく見守る家族も憂鬱な面持ちです。
もちろん、介護を受けるお年寄りが最も憂鬱でしょう。
介護施設で働くということは、このどうすることもできない憂鬱を受け入れていくということです。
高齢化社会とは憂鬱と共に生きるということです。
これが現実です…
僕たちは良くも悪くもそういう時代に生きています。
だからこそ、肩の力を抜いて楽にやるべきです。
ギズギズした時代だからこそ、リラックスして周りを気遣う余裕を持ちたいものです。
もっと介護施設の実態を知りたい方は、この本を読んでみるのもいいかもしれません。
自分の親が、そして将来的には自分が介護をされる側に回るかもしれません。
介護施設の実態を知っておいて損はありませんよ。
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