おはようございます。うーじです。
僕は15年ほど前に柔道整復師という整骨院で働く資格をとり、医療機関や介護施設で働いてきました。
これはその資格を取る前に起こった出来事です。
20代の頃に「全国健康生活普及会」という寝具を売るネットワークビジネスにハマり200万円近くの借金を作ったことがあります。
この体験を皆さんとシェアしたいと思います。
今でも同じような手法で数々のビジネスが運営されています。
何か変だな??と思ったら周りの人に相談しましょう!
高卒で工場に就職するもすぐに辞めて、派遣のバイトで食い繋いでいた当時の僕は将来の不安で一杯でした。
そんな時に知り合いから「カイロプラクティックの資格を取らないか?」と誘いを受けます。
カイロプラクティック??
よくわかりませんでしたが、何となく手に職を付ければ今よりも生活が安定するのでは?
と考え、36万円の初級カイロプラクティックセミナーに参加しました。
1週間ホテルに缶詰になって毎日カイロプラクティックの技術を練習しました。
今考えればカイロプラクティックというよりは、整体法に近い日本発祥の技術にむりやりカイロプラクティックをミックスしたような微妙なものでした。
さらに要所要所で、寝具のマットや、枕、トルマリンの掛け布団などを激しく売り込んできます。
この時点でかなり怪しいと思っていましたが、外部との接触が絶たれた場所での集団洗脳です。
若かった僕は何もわからずその場の空気に流されてしまい、どっぷりその集団にハマり込んでいきます。
1回目のセミナーが終わった後に、師匠のような人を紹介されました。
その師匠の元で技術を磨いて、患者さんを治して稼いでいくのだと思っていましたが、中身は全然違いました。
まず、患者さんからお金を取るにはもう一段階上のセミナーに参加しなければならないということで、「中級カイロプラクティックセミナー」への参加を促されました。
また36万円??
と思ってかなり躊躇しました。
けど、しっかり技術を身につけて稼げるようになりたい気持ちは強く、なけなしの貯金をはたいて払う覚悟でいました。
しかし、36万円では収まりませんでした。
その「中級カイロプラクティックセミナー」に参加するには150万円分の寝具や枕を購入しなければならないというシステムなのです。
この時点でやめておけばよかったのですが、
「ここでやめたら、最初の36万円が無駄になる!」という思いが働き悩みました。
その時師匠から
「みんな最初は借金して始めるんだよ」
「150万円で商売が始められるなら安いものだよ」
と何度も背中を押され、僕は借金をし大量の商品を購入して「中級カイロプラクティックセミナー」に参加しました。
ここまでの投資は合計で222万円です。
この「中級カイロプラクティックセミナー」は完全に宗教団体の集会のような雰囲気でした。
カイロプラクティックの技術的な講習もありましたが、それ以外に新商品の大販売会や会長自らが参加する記念パーティーなども開かれ、怪しさマックスのイベントでした。
新商品はガンが治ると言われるキノコ、「アガリクス茸」のリキッドや、泥の洗顔などおよそカイロプラクティックとは関係のないものばかりでした。
借金を背負ってこのセミナーに参加した僕は、完全に団体の一員となりました。
一員になってみてわかったことですが、「全国健康生活普及会」という団体はカイロプラクティックの技術を身につけ、人を治療して利益を得る団体ではないということです。
カイロプラクティックというキャッチーな治療技術をエサに、人を勧誘しセミナーに誘い出し、寝具や健康食品を大量購入させることによって成り立っている団体です。
購入代金の30%〜50%がその人を誘った人に還元される仕組みです。
自分の下に構成員をたくさん集めることができれば、構成員が稼いだ分の数十%が不労所得として入ってきます。
僕はこの段階になって初めて組織の構造に気づき、絶望して辞めました。
本当に悔しい思い出です。
何度か「健康セミナー」という名前の集客活動に参加しましたが、罪悪感を感じてしまって僕には勧誘できませんでした。
自分のような犠牲者をこれ以上増やすべきではないと感じてしまうのです。
僕は借金だけを残し、団体を去りました。
初めから寝具の販売と聞いていれば、絶対に入会しませんでした。
「カイロプラクティックの技術が学べる」というキャッチフレーズに騙されてしまいました。
人の不安な気持ちや向上心を利用した良くない商売です。
でも、このようなビジネスモデルは珍しくありません。
アムウェイをはじめ、ニューウェイズやライフウェーブなどたくさんの企業や商品が採用しているモデルです。
主に健康食品やサプリメント系に多いイメージです。
”会員にならないと購入できない!”という限定感と特別感が売りです。
企業としても宣伝広告費が低予算で済むし、固定給の営業マンを雇うより経費がかからないという利点があります。
しかし、腑に落ちません!
本当に良い商品なら、普通に市場に出し販売すれば利益が得られるはずです。
販売先を会員だけに限定するのはなぜなのか??
経費が安く済み、効率がいいからです。
きっと市場の価格競争に勝てる自信がないのだと思います。
多額の広告費を使って商品を売り出すリスクを負いたくないのです。
自信があれば、市場に出した方が経費はかかっても大きく稼げるはずです。
要するに、ネットワークビジネスというのは、、
そこまで優れていないありきたりな商品を、会員制という付加価値をつけ、あたかも最高の商品のように思わせます。
そして、「それを売って自分も稼げるよ!」説得し、思い込ませて大量の商品を割高価格で仕入れさせ、そのマージンで稼ぐビジネスです。
これは、違法ではありませんので多くの組織で採用されているモデルです。
ただ、、、
僕はこの売り方、マーケティング手法が好きになれません。
これだとピラミッド型の組織が出来上がり、上の人だけが儲かる仕組みです。
組織間での上下の移動はありますが、基本的には上層部だけが不労所得を得て、末端は不良在庫を抱えてしまうことになります。
先に始めた者勝ちのシステムです。
僕はこの手法を採用する経営者が嫌いです。
昔から使い古されたこの手法を手を変え品を変え展開する、無能な経営者だと思うからです。
時代錯誤だと思うからです。
このような売り方をしている商材に出会ったら、気をつけて下さい!
それらが悪い商品だとは思いませんが、基本的にそれはその価格以下の価値しかありません。
大量に仕入れて売り捌くには相当な努力と時間がかかることを忘れないでください。
特に「全国健康生活普及会」には要注意です。
カイロプラクティクの技術は1週間のセミナー数回で身につくものではありません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ネットワークビジネスは悪いものではありませんが、内容を知らずに組織に入ってしまうと僕のようになってしまいます。しっかりと闇の部分を理解した上で挑戦するべきです。
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